お客様各位

この度の新型コロナ・ウィルス感染症拡大につきましては、皆様方にも多方面で影響を受けられていることと心よりお見舞い申し上げます。また、感染症拡大防止にご尽力いただいた医療従事者をはじめとする関係機関の方々に感謝いたしますとともに、お亡くなりになられた方とそのご家族の方々には心より哀悼の意を表します。

緊急事態宣言解除後から感染拡大防止のガイドラインを遵守し、みなとみらいホール大ホールや県立音楽堂の再開公演、神奈川フィルの再始動公演など、主催公演だけで12公演17ステージ開催してまいりました。もしかしたらコンサート業の収入だけを生業にしている民間の音楽事務所として日本一開催したのかもしれません。

今回の一連のコンサートでは、ほとんどのアーティストが数か月ぶりのコンサートに並々ならぬ意気込みでステージに立ち、この状況下でご来場いただいたお客様の一音たりとも聴き逃すまいとする集中力との効果で、めったにない感動的なコンサートの連続に立ち会えましたことは、主催者冥利に尽きる想いでございました。

しかしながら、2月から続く中止による山のような払戻し作業と同時に、一席空けの着席のためのチケット回収・再配席、再始動のためのホールやアーティストなどとの感染拡大防止策の綿密な打ち合わせ・準備などで多忙を極めた連日でございました。さらには50％の入場制限は当然ながら採算点には到達せず、開催しても赤字となります。

まさに体力的にも経済的にもギリギリの中、文化を絶やしたくないとの使命感のみで駆け抜けてまいりました。

どんなに忙しくても感染拡大の対策は怠るわけにはいきません。主催者・ホール側の努力だけでなく、今までクラスターが発生していないのは、なによりお客様のご理解・ご協力の賜であると思っております。

既に報道の通り9月19日よりクラシックの演奏会に関しては今までの50％の入場制限が緩和されました。

50％の入場制限での開催というのはほとんどの公演が赤字になります。今回のコロナ禍は音楽業界においては2月下旬のイベント自粛要請に始まり、緊急事態宣言解除後も入場制限、さらには現在に至っても外国人アーティストの渡航制限などにより一番最初から最後まで経済的に甚大な影響を受けています。

お陰様で弊社も来年で創業45年を迎えます。

横浜を中心に小さいながらも文化・芸術の灯りをともしてまいりましたが、かつてこれほどの危機的状況はございません。弊社も含めた音楽事務所や演奏団体などは存続の危機に直面し、ギリギリでなんとか活動を続けている状態です。

つきましては、いままで50％を超えていたために販売を一時停止していた公演の再販売を開始いたします。

まだまだ感染症は終息したわけではございません。お客様にも様々な不安があると思いますので大きな声でぜひご来場くださいとは申し上げられない現状ではございますが、改めて感染症対策を万全にし、演奏会の開催を続けてまいる所存でございます。お客様が安心してご来場いただける状況になりましたら是非とも足をお運びいただけましたら、これに勝る喜びはございません。