5/20北村朋幹 ピアノ・リサイタル
曲目変更のご案内及び、アーティストからのコメント

5/20 北村朋幹 ピアノ・リサイタル(県立音楽堂)は、出演者の意向により曲目が一部変更となりました。

予定演目:

ドビュッシー:前奏曲集 第2巻

枯葉
ヴィーノの門
妖精たちはあでやかな踊り子
ヒース
奇人ラヴィーヌ将軍
月の光が降り注ぐテラス
水の精
ピクウィック殿をたたえて
カノープ
交代する三度
花火

バルトーク: 4つの挽歌 Op.9a BB 58 Sz 45

ベルク: ピアノ・ソナタ Op.1

ラフマニノフ:絵画的練習曲《音の絵》Op. 39より
 第2曲 イ短調
 第5曲 変ホ短調
 第9曲 ニ長調

<<以下、北村朋幹コメント>>

20世紀前半に生きた偉大な作曲家たちはみな、音楽や政治に於ける様々な変化に常に翻弄されながら、それぞれの場所で己の歩むべき道を探っていました。
遠く離れた場所でも、漂う空気にはどこか共通したものがあり、その不穏な時代の中から生み出された、掛け替えのない素晴らしい作品を集めたのが、今回のプログラムです。

その準備の最中に、コロナ禍が運んできた偶然により、今月バルトークのピアノ協奏曲第1番を演奏する機会に恵まれました。
個人的にバルトークは、常に心の中にあり、本当に大切に感じている特別な作曲家のうちの1人です。
新たな作品を勉強する時の自分の癖として、その作曲家にまつわるありとあらゆる本や楽譜がピアノの周りに所狭しと広げられるのですが、
4月、ベルリンの自宅でそれらに埋もれながら生活している中で、今回のプログラムと共に演奏してみたいと強く思う作品がありました。
元のプログラムを楽しみにしてくださっていた方々には申し訳ありませんが、やはり同じ時代に東欧から聴こえる嘆きの歌として
(そしてまた彼は、ドビュッシーの音楽をこの作曲の数年前に知ったところでした)、
この非常にささやかな、しかしバルトークにしか書き得ない比類なき美しさを湛えた「4つの挽歌」を演奏させていただきたく思います。